第五章

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そして、また、彼女の前に小切手を差し出した。 躊躇するのは、演技かどうか… 「社長は、しかるべき令嬢と結婚されます」 さて、どう出るか? これで、受け取るか… 眼鏡のフレームの真ん中を、指で押し上げる。 ところが、彼女は、微動だにしない。 「えぇ、私もそう思います」 あきらめたのか… はたまた、分かっていたのか… どちらともつかない顔をして頷いた。
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