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「社長は、働きすぎです。
…最初の頃は、なにがなんでも、覚えなくては、いけません。
しかし…慣れた最近でも、日付が変わるまで…
その上、泊まり込みも、しばしば…
仕事は、しなくてはいけませんが、このままだと、倒れてしまいます」
確かに、社長に就任してから、一日も休んだことは、なかった。
仕事を覚えるのに、必死で…
「だから、綾に愛想尽かされたのかな?」
自嘲気味につぶやいた。
「え?」
末次さんには、聞こえてなかったようだ。
「仕事で忙しくしていたら、忘れたいことが忘れられるんです」
忘れたいのに…ふとした瞬間に思い出す。
綾との思い出…
となりに彼女が
いて、笑っていた。
楽しかったこと…
そして、別れを告げられたこと。
何度もリフレイン…
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