第一章

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「社長は、働きすぎです。 …最初の頃は、なにがなんでも、覚えなくては、いけません。 しかし…慣れた最近でも、日付が変わるまで… その上、泊まり込みも、しばしば… 仕事は、しなくてはいけませんが、このままだと、倒れてしまいます」 確かに、社長に就任してから、一日も休んだことは、なかった。 仕事を覚えるのに、必死で… 「だから、綾に愛想尽かされたのかな?」 自嘲気味につぶやいた。 「え?」 末次さんには、聞こえてなかったようだ。 「仕事で忙しくしていたら、忘れたいことが忘れられるんです」 忘れたいのに…ふとした瞬間に思い出す。 綾との思い出… となりに彼女が いて、笑っていた。 楽しかったこと… そして、別れを告げられたこと。 何度もリフレイン…
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