第六章

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ベチンッ!! すごい音 居酒屋の店内に響き渡った。 「いってー!」 頭を押さえてうずくまる、浅倉くん。 「何するんですか!?」 抗議の声を上げるその目に涙が浮かんでいる。 「あーら、あんたの頭にでっかい蚊がとまってたのよ。 感謝してほしいくらいだわ」 その声に振り向くと、望が、仁王立ちで浅倉くんをにらんでいる。 「こんな真冬に蚊がいるわけないでしょー」 頭をさすりながら、横の席にずれた。 望が私と浅倉くんの間に無理矢理割り込んできたからだ。
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