180人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
海のそばにある、公園の駐車場に、車を止める。
階段を降りていき、おしゃれな外灯が照らす、白いベンチへ。
近づくと、ベンチに座っていた人が、立ち上がる…
綾…
「ごめんね…忙しいのに…」
「いや、オレのほうこそ…なかなか、時間取られなくて、ごめん」
彼女の瞳が、オレの視線を反らした。
そして、そのまま、まっすぐ海を見つめる…
「好きなひとができたの…
だから…別れて欲しい…」
「な、なに言って…」
「ごめんなさい」
オレの言葉にかぶせて、謝罪の言葉を口にする綾…
冗談だろ…?
嘘だと言ってくれ…
いきなりの別れの言葉に、ただ呆然として、そのまま、突っ立ったまま…
彼女が立ち去ったことさえも、ショックが大きすぎて、気付かなかった
.
最初のコメントを投稿しよう!