第一章

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海のそばにある、公園の駐車場に、車を止める。 階段を降りていき、おしゃれな外灯が照らす、白いベンチへ。 近づくと、ベンチに座っていた人が、立ち上がる… 綾… 「ごめんね…忙しいのに…」 「いや、オレのほうこそ…なかなか、時間取られなくて、ごめん」 彼女の瞳が、オレの視線を反らした。 そして、そのまま、まっすぐ海を見つめる… 「好きなひとができたの… だから…別れて欲しい…」 「な、なに言って…」 「ごめんなさい」 オレの言葉にかぶせて、謝罪の言葉を口にする綾… 冗談だろ…? 嘘だと言ってくれ… いきなりの別れの言葉に、ただ呆然として、そのまま、突っ立ったまま… 彼女が立ち去ったことさえも、ショックが大きすぎて、気付かなかった .
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