まだ色を持たぬ小さなキセキ

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「ちょいちょいちょい。 何を言ってるの? この子は " ぴーすけ " だよ?」 「はぃぃぃ?!」 今度は清海が雄叫びと共に口をあんぐりと開ける。 「おいおいおい……。ぴーすけって……」 「私は妊娠が分かったときからずっとそう呼んでるもの。 清海のこと付き合ってた頃の呼び方したいなー、って思うときもあるし、私この子は男の子だって確信してるから」 「はぁっ? この子は女の子だろ。 踊子にそっくりな可愛い女の子!」 「違うよ!清海にそっくりなカッコいい男の子!」 私たちはお互いに向き合って言い合いを始める。 「女!」 「男!」 「ウメ!!」 「ぴーすけ!!」 そして、2人でにらめっこ。 当然それは長く続かない。 私たちは同時に盛大に吹き出し 「「バカ親~!!」」 お互いを指差しながらソファで笑い転げた。
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