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散々笑い倒した後、清海が私の肩を抱き寄せてくれた。
「ま、どっちでもいいよな、性別は。
元気に産まれてきてくれさえすれば」
「うん」
「それまでは、その子の名前はぴーすけでいいよ」
「ほんとに?」
「実際にお腹の中で子どもを守ってくれるのは踊子だからな。
母親には逆らえませんよ」
ちょっとおどけたように言って、清海は伸びをしながら立ち上がった。
「とはいっても、俺が呼ぶのは相当恥ずかしいけどな」
「ハハハ。でも、私も女の子も楽しみになった。
清海にそっくりな女の子!」
「勘弁してよ。それじゃ千波じゃん」
その言葉に私はまた大きな声で笑った。
そんな私を優しく見下ろしながら清海が口を開く。
「なあ? さっき説教しておいてなんだけど、今夜もう少しだけ起きてられるか?」
「え……?
うん、明日も日曜だから会社は休みだし。
それにあのキッチン片付けなくちゃ…」
立ち上がろうとした私を清海が片手で制す。
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