呼んだのは彼、呼ばれたのは弾力のある何か

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「ふぅぅううぅ……よし」 その部屋にいた不良をパイプ椅子で気絶させたライドは周囲の様子を改めて探る。 「(ん?人質が居ないな?他の部屋か?)」 準備室は実験室の近くに2~3ヶ所あり、実験ごとの材料や道具を種類別で保管している。 「(厄介な)」 準備室同士は扉で繋がっており、全てに行き来できるようになっている。 「(まだ不良が居るとすれば今の騒ぎで……)」 「な、なんだこりゃ!?」 騒ぎを聞き付けたのか準備室に繋がる扉から更に追加の不良が現れる。 「ちくしょうめーもうおかわりはいらねえよ!」 叫びながらパイプ椅子を振りかぶり、不良に肉薄する。 「さっさと人質を返してもらおうかー!」 「な、なんだこいつは!?」 仲間が倒れてると思ったらいきなりパイプ椅子を振りかぶった男に近づかれたら確かに混乱するだろう。 「(もうどっちが不良なんだかわからねえよ)」 少し遠い目をしながらライドはパイプ椅子を降り降ろした。 「(どっちも不良で謹慎対象だったわ)」
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