呼んだのは彼、呼ばれたのは弾力のある何か

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「そりゃ痛いわな、折れてるし」 ライドは2人から1歩下がりながら言い放つ。 「ぶっ殺され……」 もう1人が血走った目でライドを睨みながら言葉を発っしようとするが、最後まで言う間も無く手首を掴まれた。 「その台詞はな、本当に殺す覚悟、人の死の重さ、自分が殺される覚悟がある奴だけが使える言葉な?お前らみたいな何の覚悟も無く他者を虐げることしか出来ないアホが使う言葉じゃねえんだよ」 ライドは容赦なく掴んだ手首を本来曲がる筈の無い方向に折り曲げた。 鈍く耳障りな音と不良の絶叫が屋上に響き渡った。 「さて、おとなしくなったところで質問するが、捕まった生徒はどこにいるんだ?」 笑顔で、ニコニコしながら、顔を近づけるライド。 「ひっ、ひぃぃ!」 ライドをびびってるとバカ笑いしていた2人だが、今では自分たちがその立場。 「言ってくれるなら俺のポケットに治癒効果を上げる薬が2つあるから2人にやる、答えないなら……まあ言うまでバキバキだな」 不良はそれを聞いて顔を青ざめる、バキバキの意味を想像してしまったようだ。
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