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「そんな、全然違います」 そんな風に言われるとは、全く予想外だった。 何より、心外だ。 「本当に、申し訳なかった」 深く項垂れる瀬乃山に、慌てて愛羅は手を掛ける。 「やめてくださいッ、これ以上……悲しませないで」 ……私は、嬉しかったから。 瀬乃山の濡れる瞳に言葉を失くし、それは口に出来なかった。 自分の肩にかかった愛羅の手を、瀬乃山が取る。 「ほら、今でも君を抱き締めてしまいたくなる」 「……後任の方には、しないでくださいね」 視線を避けるように俯いて漏らした愛羅の言葉に、瀬乃山は瞠目する。 無意識に力を込めてしまった手に、愛羅が痛ッと悲鳴を上げたが、気付かなかった。
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