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麗美から、瀬乃山との会話を聞いた愛羅は戸惑った。
まだ、会社にいてもいいと言われるとは全く想像していなかった。
しかも、宮武は退職すると言う。
「懲戒免職かどうかは言ってなかったけど」
思い出したように言う麗美に、愛羅は驚愕する。
「そんなッ!! だって、宮武さんはそうしたら……」
「その人の心配なんて、愛羅がすることないわ。報いを受けるべきよ」
愛羅はそっと鎖骨の中央にある窪みを撫でた。
宮武から受けた傷が、赤いかさぶたとなって残っている。
宮武のしたことを許すわけではない。
しかし、宮武は瀬乃山から離れて生きていけるのか。
「それより、愛羅。求人サイトには登録した?」
「うん……」
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