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「宮武は解雇する。ああいうことをしたと知ってしまった以上、彼はうちにいるべきじゃない」
「でも……」
「決定事項だ」
「……でしたら、せめて自己都合で退職ということにしていただけませんか」
愛羅の言葉に、瀬乃山は露骨に眉を顰めた。
それに負けずに愛羅がじっと見つめて懇願すると、瀬乃山はやがて、考えておく、と呟いた。
「それから……宮武さんと少し話をしたいんですが」
「それはその……大丈夫なのか? ああ、俺が同席しよう」
「いえ、二人で話したいんです」
小さいながらもハッキリした声音でそう言い切った愛羅を、瀬乃山は躊躇いながらもミーティングルームに案内した。
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