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その言葉通り、瀬乃山は愛羅を全力で愛した。
想いが繋がり合っているだけで、こんなに違うなんて。
その熱も指先も、今日が二度目となる瀬乃山の部屋だって、前と何も変わらないはずなのに。
心が違うだけで、感覚は全く別のものになるということを、愛羅は身をもって知った。
「大好きです」
うわ言のように囁く。
こうして再び人を愛し、愛を告げることができるなんて、想いもしなかった。
その歓びに、胸が打ち震える。
「俺の方が好きだ」
子どものように言い返す瀬乃山に、愛羅はクスッと微笑む。
こんな風に笑えるようになるなんて、想像もできなかった。
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