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「私の方が先に好きでした」
「いや、俺の方が先だ」
「本当に?」
「本当だ」
答えのない掛け合いに、心が躍る。
ふふっと笑ってうつ伏せになった愛羅のうなじを、瀬乃山の指先がさらう。
「髪、短いな」
「嫌いですか?」
「いや。色っぽいから参ってた」
「え?」
思わず振り返ろうとする愛羅を押し留めて、瀬乃山がそこに口づける。
「……こうしたいって、男は思うよ」
「そんなの、社長だけです」
拗ねたように尖らせる、愛羅の唇を吸う。
「そう。俺にしか見せるなよ、そんな顔。もう、離れようとするな」
「はい」
恥ずかしそうに微笑む愛羅を、そっと瀬乃山が撫でる。
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