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「でも、会社は……」
「退職は撤回しろよ。仕事をしないで俺の嫁になるっていうのでも構わないが、君はもっと働いてみたいんだろ?」
「え……?」
目を白黒させる愛羅を笑って、胸に閉じ込めた。
「でも、明日は休んだ方がいいかもな。きっと疲れるだろうから」
「ひゃっ」
途端に動き始めた体に、愛羅は身をすくませる。
それを絡め取って、瀬乃山は愛羅をシーツに縫いつけた。
「退職手続き、してないから」
「……え?」
「転職先には、俺も一緒に謝るよ」
「あ……」
愛羅の瞳がゆっくりと横に逸れた。
「実は……次の会社は決まってないです」
「え? ……お前なあッ」
がっくりと項垂れた瀬乃山を、愛羅はクスクス笑ってそっと包み込む。
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