第1章

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歯を磨いて顔を洗い終わると キッチンから貴方が焼いてくれた ホットケーキの甘い香りがした 「あ、ちょうどいい。君はバターが好きなんだっけ」 私はメープルシロップよりバターを塗って食べる 「うん」 「年頃の女の子がね、バターもいいけどメープルシロップも美味しいんだよ?」 「私はこっちの方が好きなの、それにスイカやリンゴと一緒でちょっとしょっぱい方甘みが増すんだから」 「それはホットケーキにはいえないんじゃないかい?」 そう言って笑った 「お子ちゃま味覚の貴方はどうですかね」 ちょっと嫌味を言ってみたが 「まぁ僕は中身がまだ子供ですんで」 そう言われてあしらわれてしまった あったかくて甘くて、バターの塩加減がとてもいい具合にきいていた 彼の作るホットケーキはとても美味しい 優しくて甘くてあったかい太陽みたいな味 幸せな想いを噛み締めながらホットケーキを二人で頬張る 鳩時計が鳴った11時をさしている
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