第1章

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明らかな箱のようなモノが入って……。  ―― イタズラ。  素早く悪友であるAとBを探す。いない。まだ 登校していないようだ。他にこんな手の込んだ バカをやる奴は思い当たらない。  取り出して確認したいのだが、そこそこに クラスメートはいる。見つかれば折角の可憐にも さり気無く机に入れてくれた女神を傷つけるやも。  ―― さり気無く。  と、いう事は今日最初に登校してきた女神では。 素早く日直を確認。委員長のWさんとN君だ。  Wさん!彼女はクラスでも競争倍率ダントツ。 当然、敵対する輩はスペックがハイクオリティ。 それを押し退けて、俺が、この俺が選ばれ……。  いやいや。焦るなよ。無いだろう。無い。無い。 でも、箱はある。イタズラの可能性も今のところ 薄いと思える。AやBがまだ来てない事も確認済。  ―― N君……?  いやいやいやいや。まてよ。どうしてそうなる。 ふと黒板をふいているN君と目が会った。ドキ。  ドキ。じゃねーよ。なぜそうなななるのののか。 それは無い断じてない。確かにN君はイケメンだ。 また人には様々な面があるし個性で自由だ。だが。  俺はブサメンだし、スペックもどん底だし。 勉強もスポーツも駄目。オシャレどころか、 昨夜もオンラインゲームの【甘これ】で徹夜状態。  ちなみに【甘これ】とは俺がパティシエになり、 ケーキやアイス、和菓子などを作りレベルを上げ オリジナルなスィーツを作ってコンテストを勝つ。  このお菓子達が擬人化で女の子のキャラであり 多くの人気絵師と多くの人気声優陣で作り上げる コレクションする、お菓子帝国のゲームである。  オンラインなので他プレイヤーと対戦すると 審査員の点数で勝敗が決まり、相手のレシピを 奪い取れる。というようなゲームであり。  当然、昨夜はチョコイベントだったのだ。 ボコボコに負けて、俺のチョコ厨房は壊滅した。           *  いや、そんな事はどうでもよいのだ。問題は、 N君と俺が並び、絵になるかどうかの話ではない。 俺はWさんが好きなのだ。それだけなのだ。  よし。直接訊こう。 「や、やあN君、おはよう。」 「おはよう、久太君。珍しく早いね。」 「まぁね。それより日直のWさん、クラスの中に 見かけないけど……。知ってる?」 「さっき職員室へ行ったよ。どうして?」 「ああ、そっか。いやいや何でもないんだ。」
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