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そして言わせてもらえば僕は来年度から大学生である。だからニートではない。断じて。
「なんで息子がすねがしりで笑顔なのかは知らないけどさ。」
「あらあら?子供に頼られるのは親はいつだって嬉しいものよ?」
「親なら子供の自立を願ってよ。」
もしかして意外とうちの母親バカなのかな?……間違えた親バカなのかな?
「あんたは手がかからない子だったからね。イチお母さんとしては張り合いがなかったのよ。」
「そう。」
「だからほら、いい機会だから甘えてきなさいな。」
母さんはおいでとばかりに両手を広げる。
「遠慮しとく。」
スルーして食器を流しに片付ける。
「ほらー、そういうところよ。普通なら怒ってもいいところよ?子ども扱いすんなババア!ぐらい言われるのを私は期待してたわ。」
「嫌な期待だね。」
「なんかないの?私を困らせるようなこと。」
僕にぐれて欲しいのか。
尚も期待のまなざしを向けてくる母さん。多分、今日は母親をしたい日だと思う。でもなあ、何か後ろめたいことなんて…
「あ、そうそう。僕一年くらいまえからバイトしてるから。」
「えっ、うちの子完璧すぎる。」
うわ、褒められてるのになんか嬉しくない。
自分の子供を完璧とかいっちゃう母親。ないな。
「何で嫌そうな顔をしてるの。」
「いや…」
「というかいつのまにバイトなんて。欲しいものがあるなら買ってあげるのに。」
「え、いいの?」
「母さんからの進学祝いよ。車とか本当に何でもいいわよ。」
「じゃあ一人暮らし用の家を。」
「もっと現実的なもので頼むわ。」
「じゃあお父さんを。」
「お父さんはもういるでしょ?ずいぶん帰ってきてないけど。」
親父が家ほっぽりだして3年いないのもどうかとおもうんだけど。最後に見たのが中3のころだ。今頃どこで何をしているのか。
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