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「もしかしてあんたふざけてる?」
もしかしなくてもふざけてますね。
「……たかしがそうくるならわたしも考えがあるわ。」
「なに?」
「バイトを始めたなら自分で自分の必要経費は賄わないとね?」
「そうですね。」
「まあ、教育は受けさせる義務があるから学費やら学校関係のことは親である私がだすべきね。」
「ありがとうございます。」
「いいってことよ。でもあなたがほとんど活用していないみたいだけど、お金かかってるものがあるわよね?」
「僕が活用してない?使えるものは親でも使う。がモットーなのに。」
「たかし?私なにかしたかしら?」
「キャーたかしぃー。」
「……興奮しちゃってね。」
あとわりとさっきのは本気だよ。
コホン、と母さんは咳払いを一つ
「活用してないってのはケータイよ。ほとんどっていうか使ってるとこ見てないけど、高校の始めに契約したわね。」
「それの料金を払えと?」
「全額とは言わないけどある程度は……ねぇ?」
すごい勝ち誇った顔。養われている分際で文句は言えないんだけどね。
「母さんは知らないようだけど。」
まあ、ただじゃ負けないよ。
「ケータイなら一月使って、必要性なかったから解約しました。」
「はい?」
「だから一月分の使用料ね。あ、契約料金もあるから六千円ぐらいでいい?」
母さんは固まっていた。無理もない。忙しくて携帯料金を含め、水道とかガスなんかの諸々の料金は僕が払っていたから知る由もないだろう。
「おーい、母さん置いとくよ。」
呼びかけても返事がない。
財布を持ってきて六千円を机に置く。
時計をちらっと見ると一時を指していた。
「そんじゃあバイトいってきまーす。」
外にでたときに電話が鳴っていた。
母さんが出るだろう。
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