第1章

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「ヨシ、何かあったか?!  変だよ今日・・・まさかバレンタインでシクった?!」 「そんなんじゃないよ馬鹿っ! ・・・これ・・・どうぞ、私の手作りだから、味は保障無し・・・ね?」 白石芳野はそう言うと、肩掛けのカバンから綺麗に包装された箱を梨音へ突き出す。 「ちょ、ちょとヨシ・・・友チョコいらんて言ったじゃん? ・・・勿体無いなぁもう・・・ありがと、もらっとくわうはは!」 箱を受け取ろうとした瞬間、芳野は手を引っ込める。 「リー・・・梨音?  このチョコは友チョコや義理チョコじゃないんだよね。 なんつーかさ・・・うん・・・」 そう言うと芳野は少し俯き、何か自分に呪文をかけているように見えた。
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