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「いいか吉昌、お前にとって一番力のある陰陽師は誰だ?」
「……………吉平兄上…いや、父上かな」
首を傾げ吉昌は呟く。
「そうだろ?じゃあ、一番陰陽寮で下っぱな上に安倍家一門の最年少の陰陽生は誰だ?」
「……………………俺です」
やっと天貴が言いたいことが分かったのか吉昌の眉間に皺がよる。吉昌の言いたいことは分かる。
しかし、あえて天貴は吉昌から視線を逸らした。
「…………理不尽だ」
眉間に皺を寄せ肩をだらんと下げ天貴を睨む。
敢えて視線を逸らす天貴を睨んでいた吉昌はふと視線を感じて首をめぐらせた。
「うげっ」
蛙が鳴くような声をあげ、顔を引きつらせる。
視線を巡らせた先には興味津々といいたげな妖達が吉昌達の周りを囲んでいた。
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