闘技大会の書

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そんな時、パチリと目が合った。 恐らく相手がずっとこっちを見ていたからだと思うが、すぐに目を逸らされた。 (まだ怒ってるのか、ユウ) この前はキスがなんやらとか言って、勝つのは俺だと宣戦布告してきた。あいつは絶対根に持つネチネチ野郎だ。 「勇者が気になる?」 声の主を見れば、頬杖をして首を傾げて微笑んでいる。あまりユウを良く思ってないらしいチャラ男はチラリと冷たい視線を向けてから、俺を視界に捉えた。 「別に、興味ない。」 「…ふぅん」 ー ピンポンパーン チャラ男が意味ありげに口の端を吊り上げた瞬間、放送が流れた。 『第1回戦が終わりました。ただいまより第2回戦の会場をセッティングします。第2回戦に出場の生徒は入場口までお越しください。』 するとレイナは立ち上がってマオの前で立ち止まった。 「私の勇姿をその目にちゃんと焼き付けなさいよ。」 「あっそ…」 チラリとレイナを見上げて、その自信たっぷりな様子に内心笑いつつ、視線を下げてポツリと答えた。 コツコツと靴を鳴らして歩きドアに向かっていくレイナの後ろ姿を見守っていれば、また隣から吹き出す声をがして眉間に皺を寄せた。
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