闘技大会の書

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「アンタらまたしょうもないことやってるのね。」 声を掛けられ、ミナトの胸倉を掴んだまま振り返るとそこにはレイナがいた。足首には包帯が巻かれていたがそれ以外は聖魔法で治してもらったのかピンピンとしている。 「マオ、私の試合ちゃんと見てた?」 その問いにマオはミナトを掴んでいた手を離しレイナに向かって立つ。 「見るわけないだろ」 「なっ…アンタ……」 「でも、勝ったんだろ?」 「…!あ、当たり前でしょ!!」 見られていなかったことに少しだけショックを受けた表情をするも、マオの質問に鼻を鳴らして答える。 「え?マオ、レイナの試合ずっと見てたよwwww」 そんな状況の中、空気を読まない男が1人いた。マオは振り返ってミナトの方を見ると目を光らせた。 「ミナトォ…」 「ちょっ、ちょっ、本当のこと言っただけじゃん!!!」 「死ね」 「辛辣!!」 別に気にしていないフリをしていたのにガッツリ試合を見ていたことを知られて、マオは羞恥でレイナの顔を見れず、矛先は爆弾を投下したミナトへと向いた。
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