第1章

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「ぷっ。ムキになって言うところが、オレの容姿に惚れたカモフラージュに聞こえるよ」 リューマがクスクス笑い出したのを見て、質問に深い意味はなく、なんとなく訊いたんだと察した。 「オレはどうせ中身が薄い、見た目勝負の男だから。仕事もそうゆう仕事してきたワケだし」 自嘲気味に笑うリューマだったけど、表情は明るい。 両腕を上げて頭の後ろに組んだ。 「でも……リューマみたいに持続する魅力って内面から出てくるものだと思うの。 容姿だけだと、3日で飽きるって言うでしょ?」 そうだよ。 リューマは魅せる天才なんだ。 「リューマの人柄や内面性も好き。それは ウソじゃない」 言葉に力を込めてそう言うとリューマは優しく微笑んで私を見つめた。 「オレは甘えても、文句ひとつ言わずに、甘えさせてくれるミユキが本当に好き」 リューマが、私に覆い被さってきて、唇を合わせてくる。 柔らかい感触を感じたと思ったらすぐに離れた。 「惚れた弱味だよ。リューマの為なら何でもしてあげたいって思うの」 私はリューマの脇の下に手をくぐらせて背中に回すと ギュッと抱きしめた。 「……じゃ、またシよ?」 リューマが耳元で囁いて私を抱きしめ返す。 「こうやって抱きしめ合ってるだけで私は幸せ」 「オレは………シてる時が幸せ。 一体感が増すでしょ」 「………………」 「男と女は違うんだなァ」 「だよね」 「…………」 「……今日、何時頃にミユキん家に行くの?」 リューマの手がまた私を優しく愛撫を始めた。 そして それをなんとなく、阻止する。 「うーんと、5時くらいに行く」 「ん……じゃあ、行くまでベッドにいよう。頭イタイし」 「お年玉袋買いにいかなくちゃ。メイッコのユキちゃんとオイッコのユウくんにお年玉用意しなくちゃいけないの」 「結婚式で会ったミユキのお姉さんの子供達だよね。 小さくて可愛かったよな。癒されに行こう♪」
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