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「あったま………イッテぇな………」
元旦。 寝起きは悪かった。
テキーラなんて飲まされて、
リューマにしんみり飲むなと囃し立てられて
明け方の始発まで飲んでたら、いつの間にか寝てしまっていた。
『ヨシ、もうお開きだよ、起きて』
バーカウンターに突っ伏せて眠ってしまっていたら、ミユキに肩を揺さぶられる。
重たい頭を上げて辺りを見れば、
リューマも立ちながらカウンターに寄りかかり瞼を閉じてもたれかかっていた。
相当飲んだであろう幹事&主催のリューマは皆が退散するまで、居残ってるようだったけど、
見るからに沈没した状態で、ミユキだけがしっかりしていた。
朝日が眩しくて瞼をまともに開けられない状態で、電車に揺られながら、帰宅する。
部屋に入ってからは、崩れるようにベッドに倒れ込んだ。
正月に一人。
毎年正月休みは2日間しか取れないために
帰郷も出来ずに家でまったり年末の疲れを取るのが毎年恒例。
鹿児島に帰るのはいつも時期を外していた。
『付き合ってる女性もいないのか?』
親父に未来の嫁さんを連れてくる事を期待され、詮索される。
それがウザイ。
年も30を迎えてしまって、鹿児島のオレの地元では結婚適齢期を過ぎていた。
幼馴染みだった、高校まで同じだった彩佳がオレと同じ年にして、まだ独身でいるらしく、
家も近所という事もあって、両親が
『彩佳ちゃんはどうなの? 長年付き合っていた彼氏と最近別れてしまったみたいよ』
といらない情報を与えてくれたりする。
彩佳は異性としては見れない幼馴染みで、結婚なんて、とてもじゃないけど想像もできない。
しかし、彩佳が今月東京の観光で遊びに来る事になって、その観光案内を両親から頼まれ、本人からも久々にメールが来た。
何か仕組まれている気がしてならないけど、
断るのも彩佳に悪いと思って、承諾した。
彩佳は
なんで、いい年迎えて彼氏と別れちまったんだろう。
第三者から見たら、独身同士うまく くっつけばいいって考えなんだろうけど、
当の本人からしてみたら、
迷惑極まりない。
放っておいてくれ、と言うのが本音だけど、家族と縁が切れない限りそれはムリな事なのかもしれない。
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