6.約束

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晴天の冬空に一陣の木枯らしが吹き抜ける。 「寒っ」 冬に寒いのは当たり前のことだから、あまり「寒い寒い」と連呼したくないのだが、つい口をついて出てしまう。 「透、こっち」 賢吾が駐車場の方へ向かって歩きはじめる。 「賢吾?」 「車、乗ってきたから」 「え? お前、車持ってんの?」 先を歩く賢吾に追いついて、肩を並べる。 「一応ね・・・・持ってないと思ってた?」 「ああ」
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