6.約束

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初めて賢吾の部屋に泊まった日の翌日、二人でバスと徒歩で俺の部屋に向かったのだ。 それに、家族の事故のこともある。 今となれば、車を話題にすることを無意識に避けていたとしか思えない。 「その気はなかったんだけど、免許証が身分証明書として便利だから取るように説得された。実際に教習所に通ったら、自分で運転してみてわかることもあったし・・・・嫌いじゃないよ。でも、都会に住んでたら買ってはいないね」 地下鉄が発達している都会なら、車がなくても十分暮らしていけるが、公共交通機関が限られている地方都市では、車がないとかなり制限された生活になってしまう。 大型のスーパーもホームセンターもシネコンも、広い駐車場を確保できる郊外に立地しているものがほとんどだ。
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