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「透、今バスタブにお湯入れてるから。大丈夫? 寒くない?」
振り返ると、賢吾がこちらに歩いてきている。
「日差しがあたたかくて気持ちいい」
賢吾が途中で足を止め、眩しそうに眼を細める。
「賢吾?」
彼は、なんでもない、という風に首を振って、俺の隣に立つ。
「・・・・ここからの眺め、いいよな」
「そうだね、こんな風に晴れるとすがすがしい。・・・・透が隣にいると、余計にそう思える」
俺が賢吾を見ると、彼の眼差しはずっと遠くを見つめている。
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