7.落下

3/68
5160人が本棚に入れています
本棚に追加
/572ページ
「透、今バスタブにお湯入れてるから。大丈夫? 寒くない?」 振り返ると、賢吾がこちらに歩いてきている。 「日差しがあたたかくて気持ちいい」 賢吾が途中で足を止め、眩しそうに眼を細める。 「賢吾?」 彼は、なんでもない、という風に首を振って、俺の隣に立つ。 「・・・・ここからの眺め、いいよな」 「そうだね、こんな風に晴れるとすがすがしい。・・・・透が隣にいると、余計にそう思える」 俺が賢吾を見ると、彼の眼差しはずっと遠くを見つめている。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!