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「お前、過保護すぎ」
そう返しながらも言われた通りに座る。
「退院祝いの特別サービス」
楽しそうに笑いながら、ドライヤーのスイッチを入れた。
賢吾の指が俺の髪を梳きながら、ゆるめの温風を当ててくれる。
目を閉じて、あたたかい風と賢吾のやさしい手の動きを感じて、ほっと息をつく。
「透の髪、サラサラでうらやましい」
「そうか? お前も今の髪型似合ってるよ。短くはしないのか?」
賢吾ははぁーっとわざとらしいため息をつく。
「天パだから短いと鳥の巣みたいになって手間が増えるだけ。このぐらいの長さが一番楽なんだよ。邪魔な時は括ればいいし」
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