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「なるほど」
オシャレに気を使っているのだと思っていたけど、実生活で一番楽なヘアスタイルなのか。
賢吾はマッサージをするみたいにして、髪と地肌に触れながら乾かしてくれる。
その心地よさに目を閉じて、しばらくのあいだ身を委ねる。
耳の後ろのあたりからうなじにかけて、温風をあてながら指の腹で掻くようにされると、眠りを誘うようなやさしい痺れにじんわりと包まれる。
気持ちいい・・・・
夢見心地で、はぁ、と小さく息をつく。
指通りが軽くなったのを感じるのとほぼ同時に、ドライヤーの音が途切れる。
賢吾の指で髪をかき混ぜるようにして撫で回されると、意識がトロリと溶解し夢と現実のはざまに落ちてゆく。
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