第1章

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みんなにも、春樹にも。 「砂月、今日仕事が終わったら試作付き合ってくれるか? 再来月の新商品詰めたくて」 「分かりました、大丈夫です」 ――…コンコン。 ノック音が聞こえた気がして顔を上げると、春樹と目が合った。 うちは店内を一部ガラス張りにしていて、売り場から作業場が見えるようになっている。 食べ終わったのか?と口パクで問うと、笑顔でコクコクと頷く春樹。 ……『ワンコゼメ』の意味はわからないけど、確かに春樹は犬っぽい。 たまに、幻覚で耳と尻尾が見える。
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