第1章

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春樹が初めてうちの店に来たのは、6年前。 俺が17歳で、春樹が11歳。 16歳の時から店の手伝いをしていた俺は、当時焼き菓子を担当していた。 そんなある日、母さんの友人家族がうちの喫茶スペースにお茶しに来る事になって。 その時来ていた子供が、春樹。 ケーキと一緒に俺が作った焼菓子を出すと、春樹は凄く美味しそうに食べて、しまいには『おかわり!』なんて言い出した始末。 それからもお小遣いを握り締めて、焼菓子を買いに来てくれた。 「おれ、さつきくんとケッコンするー! そしたら、毎日おかし食べれるよね?!」
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