第1章

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「うちに今まで桃系の定番ってピーチパイくらいしかなかったからさ。 生ケーキでも一品くらい欲しいなーって思ったんだけど」 「……ラズベリー」 「え?」 それまで黙っていた春樹が口を開いたと思ったら、試作ノートに黙々と筆を滑らせ始めた。 其の様子を、有明さんと2人で息を呑んで見守る。 「……ムースの部位を桃のみにするんじゃなくて、ヨーグルトベースの白桃味にして、 中にラズベリーのジャムを入れたらアクセントになるし、味がぼやける事もなく最後まで美味しく食べられると思います」 「わ、わかった…!」
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