第1章

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ただ単に、俺が春樹の傍にいたかっただけなのかもしれないけど。 「…あぁ、そうだ。 春樹」 「? はいっ」 冷蔵庫からもう一枚の皿を取り出し、春樹の前に置く。 皿の上には、一つのケーキ。 「これは…?」 「新作とかじゃなくて、春樹の為に作ったんだ」 「…え」 パイ生地のタルトの上にカスタードを敷き詰めて、柔らかくなるまで煮たレモンの輪切り、 ハチミツのムース。 生クリームを絞って、チョコのオーナメント。 「…食べていいんですか?」 「勿論」
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