第0章

4/5
975人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
いつの間に湧き出たのか。 お客さん2人の横に立ち、人懐こい子犬を連想させる様な、満面の笑顔を浮かべている男子が一人。 彼のトレードマーク。 本宮 春樹。 うちの常連客の一人。 「あ、砂月さん! 俺はガトーショコラと、オレンジのミルクレープとピーチパイと、あと今月の新商品をお願いします!!」 「はいはい。 席に持っていくから、おとなしく待ってろ」 「ハーイ!」 ご機嫌で、スキップしながら喫茶席に向かっていく春樹の姿に、小さく笑いが漏れる。 先程のお客さんの一人が、耳打ちをして来た。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!