第0章

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いつの間に湧き出たのか。 お客さん2人の横に立ち、人懐こい子犬を連想させる様な、満面の笑顔を浮かべている男子が一人。 彼のトレードマーク。 本宮 春樹。 うちの常連客の一人。 「あ、砂月さん! 俺はガトーショコラと、オレンジのミルクレープとピーチパイと、あと今月の新商品をお願いします!!」 「はいはい。 席に持っていくから、おとなしく待ってろ」 「ハーイ!」 ご機嫌で、スキップしながら喫茶席に向かっていく春樹の姿に、小さく笑いが漏れる。 先程のお客さんの一人が、耳打ちをして来た。
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