第七章:束の間の幸せ・前

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「そうよね。 鈴木さんが潮崎くんに撮ってもらっていれば、グランプリは鈴木さんだったわよね。  ごめんなさい。 あなたのこと、潮崎くんに推薦すれば良かったわ。 私、気が利かなくて……」  軽く目を伏せ、申し訳ないといった表情をしてみせる。  瑤子の皮肉に気づいたらしい亜矢香は、思いきり顔をしかめた。 瑤子をにらみつけ、自分の席へと戻って行く。 「───やったね、瑤子。 ホント、あいつって執念深いよねー」  亜矢香の後ろ姿を見送って、前の席の友人 上原(うえはら)麻衣子(まいこ)がよし、と、両手を握りしめる。
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