ほろ苦い口付け

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北海道の七夕はどうして8月なんだろう。 小さい頃はそんな事なんて考えず、ただ短冊を書く事を楽しみにしていた。 「随分切実な願い事だな。」 私の書いた短冊を見て、悠里は苦笑し首を傾げる。 「生活に困る事なんてないじゃん? いい仕事も見つかった事だし。」 それでも、またいつか自分が落ちてしまうんじゃなかと思えば気が気ではない。 秀臣に紹介された今の仕事だって、雇用期間が不明瞭な非常勤講師でしかないもの。 不要になれば、いとも簡単に解雇されてしまう立場だ。
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