隣人

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「え……?」  表情も変えず、一歩前進して来る。 「あの……」  どうして、うちの玄関の鍵を閉めてしまうの? 「じゃあ……いいよね?」  そのまま壁に押し付けられ、唇を塞がれる。 「……ん……んんっ!」  何が何だかわからない。でも元カレは乱暴に私のスカートをたくしあげた。 「やっぱりココ、今も弱いんだ」  思わず反応してしまう。それでも必死で抗う。  濃厚な刺激に声が零れる。抑えたくても吐息が洩れる。  立っていられなくなり、すがる様に元カレにしがみついてしまった。  後は……されるがままだった。  あの指が私の中の女を目覚めさせるんだ。  主人では駄目だった。他の男でも。  結婚してから三年。その間に少しずつ築き上げてきたものに囲まれ、私は生涯を誓い合った人ではない存在に抱かれている。  背徳に涙するのは、きっと何もかもが終わってからなのだろう。  今はただ快楽に溺れる。溺れる。溺れる。それだけだった。
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