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再会といっても、元カレは同級生ではない。先輩だった。
たまたま居酒屋にいたらしく、誰かが声をかけ、合流したのだ。
「気にしないで下さい」
本当はショックだった。一応、『初体験』にまだ夢を見ていたから。
だけど、元カレは気にした。そこから交際が始まった。でも、そんな始まりだったから、長くは続かなかった。
大学生だった私と社会人の元カレの関係は、私の就職と元カレの転勤も重なり、卒業と同時に自然と終わったのだ。
それでも、体はあの指を覚えている。
夢を見た。最低だ。
私は元カレに抱かれていた。
主人とは決してしない、あんな事やこんな事をしていた。
恥ずかしげもなく嬌声を上げ、何度も腰をくねらせた。
口付けをねだり、愛撫に震え、動きに歓喜し、快感に悶えた。
揺るがない事実に切なくなる。
私を女にしたのは、開発したのは他の誰でもない。
元カレだった。
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