少女

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「じゃあまた明日な!」 放課後。 部活に行く友達と別れてからすぐに帰宅すると、自分の部屋の白い壁に立て掛けておいたキャンパスと筆を手にした。 僕は、絵を描くのが好きだ。 特に描きたいものはないけれど、筆を走らせている間は自分の世界に入り込める気がする。 一時期は美術部に所属にしていたが、女子に囲まれるのが気まずくて、すぐに辞めた。 僕は、無心で筆を走らせる。 気づけばだいぶ日が暮れた。 仕事から帰ってきた母さんが夕飯ができたと呼ぶので、キャンパスと筆を元の場所に置いて下に降りる。 「今日は学校どうだった?」 「普通」 無愛想に僕は答える。 でも、母さんは嫌な顔もせず、笑顔で「そう」と言うと、今日の献立の説明を始めた。 たぶん………親には恵まれているんだろうと思う。 食事を終えた後も、いつもと同じ。 机に向かって勉強を始めても、長くは続かない。そうしたら風呂に入って、パソコンをつけて、ゲームしたり動画を見たり、漫画を見たり。 そうやって暇を潰してから眠りにつく。 僕は、ベッドに寝転がると、自分の将来のことをふと考えてみた。 ……………。 思った以上に何も浮かばない。 夢もないし、そんなものか。 僕は、寝ることにした。
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