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Takahiro-side
お久しぶりです!
夏が来ちゃいました‥。
実彩子は、いつになったら闇の中でもがくことも、苦しむことも、なくなりますか?
実彩子を、助けてください。
彩人さんに、願う。
みんなで決めたんだ、今日、なんとしても。
実彩子に光の方を向いてもらう。
與 着いたな。
真司郎が呟いた
目の前に広がるのは見慣れた真っ白なドア。
千 行くよ。
コンコン
ガラッ
実彩子は、俺たちを見ようとはしなかった。
哀しい横顔。
今すぐ抱きしめたい。 でも、
触れたら消えてしまいそうで怖かった。
西 みさこ‥
君の名前を呼んだ。
宇 ‥‥
千 ねぇ、みさこ。
あたしの目見て?
宇 ‥
実彩子は顔をあげようとはしなかった
千 実彩子、もぅやめよう。こんな悲しいこと。
もう誰も、傷ついちゃいけない。
実彩子も、未奈も。
みさこ、
宇 ‥
千晃の言葉を遮るみたいに実彩子が顔を上げた。
頬に涙を伝わせながら、千晃を見つめる
宇 もぅ、決めたの。
あたしはここにいるべき人間じゃない。
‥
あたしは、もう充分、幸せをもらったから。
それに、もう、昔の私には戻れない。
もう、会うべきじゃないよ。
だから‥
泣きながら話す実彩子
俺も、真司郎も、秀太も、日高も
言葉が出てこなくて、呆然と立ちつくした。
少し遠くにいる実彩子をみつめて
自分のへなちょこさに腹が立って
こんなに好きなら、言えばいいのに
今、今?
実彩子を止めなきゃいけないのに
声が出ない。
千 もぅやめて‥
千晃が泣き崩れた
そんな姿を見た実彩子もまた、綺麗な涙を流した。
宇 初めから決めてたの、そうしなきゃいけないの。
これで、やっと終わるの。
行かせて?
ぎゅ‥
見ていられなくなった真司郎は、
実彩子を抱きしめた
強く。強く。
西 俺も、 嫌だ‥
やっと声が出た
涙が止まらない。
西 実彩子が自分のために生きられないやら、
俺たちのために、生きてよ‥
宇 ‥
日 宇野、生きたいって書いてたじゃん。
新たな未来を歩みたいって‥
末 お前、頑張ったな‥
秀太がふいに言った
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