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「特別クラス…ですか?」
編入試験の結果を聞きに理事長室を訪れた彷徨にその知らせは唐突に告げられた。
「えぇ。大沢くんなら特別クラスにふさわしいと思うの。」
理事長はにこやかに話し続ける。
「潜入捜査の為の人材を育成するクラスで、私が今年新設したの。
普通の高校と授業の内容は変わるけど、このクラスに入ってくれれば高校の卒業と大学の進学は約束するわ。どうかしら?」
「潜入捜査の為の人材を育成するクラスってことは将来的には実際の現場に行くってことですか?」
「将来的にはそうなれればいいとは思ってるわ。
さすがに今すぐ現場に行けとは言わないし、ちゃんと基礎知識や最低限の護身術を身に付けてからね。」
「特別クラスには何人の生徒がいるんですか?」
「5人よ。大沢くんで6人目。」
「どうして僕を選んだんですか??」
「ふふっ。用心深いのね。
もちろんあなたに素質があると思ったから選んだのよ?」
―とりあえず特別クラスに入ってみて無理だと言うのなら普通のクラスにしてあげるわ。
理事長は彷徨にそう言うと部屋を出て行った。
それが一昨日。
結局断ることもできぬまま、今に至る―
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