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彷徨の歓迎会をしよう!
と言う雫の提案で6人は学校の近くにあるカラオケに来ていた。
雫は歓迎会といいながらただカラオケに来たかっただけのようだが。
雫のライブ会場となりつつあるカラオケの中で他の4人は彷徨と会話を交していた。
「大沢くんは…」
「あ、彷徨でいいですよ?」
何か話そうとした姉さんを遮って彷徨は言う。
「そう?じゃあ、彷徨くん?」
何故か疑問系で聞き返してきた陽歌に苦笑しながらも彷徨は穏やかな顔で先を促す。
「彷徨くんって彼女いないの?」
「へっ?!」
予想外の質問に思わず変な声を出してしまった彷徨とあまりにも唐突な陽歌の質問にみんなが笑いだす。
「姉さん、いきなりそれはないよー。」
お腹をおさえてまだ笑いながら紗空が言う。
こくこくと悠も笑いながら頷く。
「だって1番気になったし。で?いないの?」
すました顔で陽歌は彷徨に聞く。
「いませんよ。」
苦笑したまま彷徨は答える。
「彷徨さん、彼女いないんですかー?」
紗空が意外そうに言う。
――無茶苦茶普通の人たちだなぁ。
そんな事を思いながら彷徨は次から次へと投げかけられる質問に淡々と答えていった。
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