転校生

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「まだ姉さんと悠(ゆう)くんは来てないんですね?」 紗空も雫を無視し、まだ登校していない特別クラスの残り2人の名を口にする。 「姉さんはいつものことだけど、悠くんはそろそろ来るんじゃ…」 ない?と言おうとした瑠莉の言葉を遮るように特別クラス唯一の男の子、悠(ゆう)が教室に入ってきた。 「おはようございます」 そう悠が言うと3人からそれぞれ挨拶を返される。 「おはよー。みんな」 始業時間ぎりぎりになってやっと姿を現したのは最後の1人、陽歌(はるか)だ。 「姉さん、おはよ!今日…」 雫が転校生のことを言おうとしたとき 「はーい、みんな席についてー」 担任の松嶋弥生(まつしまやよい)が教室に入ってきた。 1人の男の子を連れて。 「みんな揃ってるわね。今日はみんなに転校生を紹介しまぁす。 大沢彷徨(おおさわかなた)君です。」 弥生の言葉に5人の視線が自然と弥生の隣にいる男の子に向けられる。
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