Spring

21/42
前へ
/44ページ
次へ
さっきこの川辺りを歩いた時より気持ちが軽くなってるのは 英二さんや夏希達のおかげ 「少しはましな面になったじゃねぇか」 『英二さんありがとね…』 「大丈夫だ」 『え……』 「お前らは壊れねぇよ」 『……………』 「今はお互い想いが伝えられねぇ状況じゃねぇんだ」 『うん…』 「それは幸せな事なんだぞ?当たり前じゃねぇんだ」 『そうだね…』 「みゆちゃんもすぐに気付くさ」 『…………』 自信満々にニヤリと笑う英二さんには俺の未来が見えてるんだろうか? そうだといいな… だってきっとその未来は明るいから 英二さんの笑顔を見てたらそう思えるんだ 「来週には桜咲くな…」 『そうだね』 「今年は賑やかになるな」 『ん?花見?』 「いつものメンバーに…ガングロカップルと…夏希ん所と…」 『うん』 「おっと!みゆちゃんもな!」 『………』 「今年は雀パイ持参して麻雀大会でもすっかな?」 『マジ?』 「みゆちゃん負かさなきゃなんねぇしよ」 『楽しそうだね…』 「楽しいに決まってんべ?」 毎年恒例の花見にみゆが来てくれたらどんなに嬉しいだろう…? それに… 桜並木をみゆと手を繋いで歩きたいよ ずっと叶えたかった俺の夢… ハート型の花弁達は俺達を優しく迎えてくれるだろうか? 愛してるって… 毎年変わらず咲き誇る桜の前で 変わらない想いを何度だって誓う… 「着いたぞ!ボーッとしてんじゃねぇよ!」 『ああ…餃子食わないとね!』 「おう!ただいま!」 「パパ~!!おかえり~!悪い虫さん来なかった~?!」 玄関に飛び出して来た永遠の一言に苦笑した  
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加