Spring

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急きょ留学を辞めてまたこっちで暮らすことになったみゆは 毎日バタバタと忙しく 卒業式から後は一回しか会えてないまま今日に至る それにその一回だってみゆのおばさんがいて 三人でただお茶を飲んでほんわかと過ごし まぁおばさんも喜んでくれて俺も嬉しかったが… もちろんそんな状況で帰り際におやすみのキスなんかできるわけもなく… って…したいんかい! そりゃしたいだろ! ぶっちゃけいつだってしたいわ 「何ボーッと口開けてやがる…」 『わわっ!!』 いきなり後ろから片腕ヘッドロックしてくるとか反則だろ悪魔様… 危うく味噌汁の椀をひっくり返しそうになった 「どうせみゆちゃんのエロい妄想でもしてやがったんだろうが…」 相変わらず俺の心が透視できる悪魔様に その通りです…なんてバカ正直に言えるわけもなく 「エロいな…」 『はぁ……』 何だか自分がものすごくエロい奴に思えてきた… 「否定しろや」 『いいえ…』 「あん?」 『人並みにはエロいので…』 「ワハハ!」 「コラ!エイジ!もういじめたらダメよ」 いやいやアヤさんが最初に言い出したんだろ… まぁいっか… みんな笑ってるしこれこそ幸せな朝の食卓だ 色んな事乗り越えて今はこうして笑ってる俺達 けどそれぞれの道のりは決して甘いものじゃなかった そう…甘いものじゃなく…… 「おい!お前今日の運勢ビリらしいぞ!」 英二さんがテレビの星占いを眺めながら悪魔みたいに笑った そこくらい甘くしとけや!  
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