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明日にそなえて早めに風呂と晩飯を済ませた俺は
早々と部屋に引き上げ明かりをつけないままベッドに寝転んだ
明かりの代わりに枕元に置いてあるホームプラネタリウムのスイッチを入れると
天井に満天の星が浮かび上がった
それは以前ヤスが英二さん夫婦にプレゼントしたもので
その星の輝きを見た俺はえらく感動しちまって
こうしてたまに借りたりしてる
残念ながら都会じゃこんなに綺麗な星空は見れないしな…
それに流れ星までちゃんと流れる所が素晴らしい
眺めてると気持ちが安らかになる…
瞑想でもするかな…
みゆ…みゆ…みゆ…みゆ……
みゆに会いたい!!
バカか
作り物の流れ星に願い事してどうすんだよ……
しかし不思議だな
この星の数みたいに無限に近い人口の中で俺達は出逢って…
出逢った事さえ奇跡みたいなのに
両思いって……
どんだけ幸福者だよ……
奇跡の赤い糸……
枯れる事のない想いはその糸の結び付きをもっと強くしてくれるだろうか……?
「隆君 ちょっといい?」
ノックの音とともにアヤさんの声が小さく耳に届いた
『あ…どうぞ』
カチャリと扉が開いた向こうにはアヤさんが佇んでるのがぼんやり見える
『何~?』
「隆君にお客様…」
『え?』
さらに扉が開かれると…
嘘みてぇ………
流れ星は願いを聞いてくれたのだろうか?
『……………』
アヤさんの後ろには今にも泣き出しそうなみゆがいた
「ごゆっくり!後でお茶持って来るね」
『え…ちょっ!!待っ!!』
アヤさんはみゆを部屋に通すとさっさと部屋の扉を閉め行ってしまった
閉められた扉の向こうで微かに「くまちゃ~ん!」てはしゃいでる永遠の声が聞こえた
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