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くっそ……
後頭部に出来た瘤をさすりながら朝食の席についた俺を
ジジィが新聞を読むふりをしてチラ見してやがる
どうしてふりだと分かるかと言うと…
『新聞逆さま……』
「!!!!!」
慌てて戻してるし…
脳震盪を起こし気絶してしまった俺の代わりに
昨夜は英二さんがみゆを家に送り届けてくれたようで…
せっかく仲直りしたってのにみっともない姿を見せちまった…
けどもうもし嫌われたら…なんて思わない
だって俺達の気持ちは同じだから……
ただ…
キスしてたからって今後も投げられちゃかなわない
確かにキッスはいかんだの言われてはいたけれども…
恋人同士だし
ガキくさいにしろ俺は一応?大人なわけで…
「わしは謝らんぞ!!」
『あっそ!!』
「師範も隆もまぁまぁまぁ……」
「わしはてっきりお前が無理矢理にだな…」
『無理矢理したら犯罪じゃんか!!』
「みゆちゃん泣いとったろうが」
『それは喧嘩してたからだよ!!』
「仲直りできたのかい?」
『おかげさまでね!!』
「喧嘩はいかんぞ?」
『キッスもだろ?!』
「わはは!!」
いや…英二さん
笑い事じゃないし!
「もう結婚しかないわね~ 隆君♪」
アヤさんの発言にジジィが頷く
「明日にでも挨拶に行くか」
それはそれで…
って違うだろっ!
みゆはまだ高校生だっつーの!!
「次はノックしてから開けるから」
『えっ?』
「勝手に開けたりせんから安心せい!!」
早口でそれだけ言うとジジィはさっさとキッチンから出て行った
「おじさんも複雑なのよ」
『え?』
「隆君が大人になっちゃってね」
『そんな事……』
「まぁ…お前の幸せが師範の幸せだろうよ」
『ん……』
「許してやれよ?」
『もちろん……』
ちゃんと叱ってくれる父親……
いらない子供だったはずの俺が今こうして幸せでいれるのは
ジジィのおかげだって常に感謝してるし
大好きなジジィ
けど嬉しさのあまりポックリ死なれたら嫌だし
絶対直接は言ってやらないけどな
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