Spring

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「ん~と…デート中のトークでトラブルの予感よ…喧嘩はできるだけ避けた方がいいわ…さもないと…イヤァーン…だってよ」 『予感て誰の予感だよ…』 「そらハッピッピーオネエって野郎だろうが」 『胡散臭っ…』 「永遠がこいつのモノマネするんだよ」 『ああ…あのイヤーンてこの占いのなんだ』 「可愛いだろ」 そりゃ永遠がやったら可愛らしいけど 今テレビでやたら繰り返されてるイヤーンて野太い声のBGMは気持ち悪い… 「健康運は…元気すぎるのも考えものだわね~イヤァーン…だってよ!元気てどこがだよ ワハハ!」 『…………』 目の前の飯を消化しつつ ふざけた占いだなと思った 健康運なんてもう……あれだろ 「ラッキーアイテムは…餃子だってよ!くっせーな!ワハハ!」 初デートで餃子なんか食えるか! って…のんびり占い聞いてる場合じゃない 『ごちそうさま』 いそいそと席を立った俺を英二さんが笑う 「お前さ?約束何時?」 『10時…』 「今何時だ?」 『7時半…だね』 「バッチリ支度したってみゆちゃんの家までどう考えても一時間だろ…」 『まぁ…』 「そこ変わらねぇんだな」 『そのようですね…』 みゆと会う時は約束の時間より一時間も早く行くってのがお決まりみたいになってたっけ… それは俺だけじゃなくみゆも同じで 夕べ電話で家の前に着いたら電話するからと言っといたけど 何となくみゆが外で待ってるような気がして落ち着かないんだ 「まぁ楽しんで来い」 『痛っ!!』 いつものように背中をバチンと叩かれた 悪魔様なりの激励?ってやつ 「隆君~喧嘩しちゃダメだよ~」 「泣かすんじゃないぞ~」 アヤさんもジジィまでもが胡散臭い星占いを信じてるようで イヤーンて声が頭から離れなくなっちまった俺は足早にキッチンを後にした  
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