Spring

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カーラジオから流れる洋楽に耳を傾けながらチョコレートマンションを目指す 散々単車で通い慣れた道も車だとまた少し印象が違く思えるから不思議だ 愛車はこれからきっとデートで活躍してくれるはずだ 雨が降っても単車みたいに乗れなくなる事もないしな 赤信号で停車してる間何気なく助手席のシートに目を向けた みゆの特等席 つか何か緊張するな 単車の方が密着はするのだが 車だって車内は誰にも邪魔されない二人だけの空間だし たまには手なんか繋いだり… 助手席からみゆが「お菓子食べる?はいアーン」的な事とか… ……なんてな どんだけイチャイチャしたいんだよ俺は きっとみゆと離れてた間すげぇ寂しかったからその反動だ 妄想モードに入ってる間にみゆのマンション近くのコンビニに到着 と同時に俺の視界に飛び込んできた人物… 驚くよりやっぱりなて感じだった 黒のショート丈のスプリングコートにジーンズ姿のみゆは 駐車場の隅にあるベンチに座って携帯をいじっていて俺に気付いてない ん?黒ジャケにジーンズな俺とビミョーに服装が被ってる気がしてニヤリ このまましばらく観察してようかとも思ったが みゆと少し離れた所で地べたに座りたむろしてる野郎共を見つけて すぐさま車を降りた 『みゆ!』 すぐに俺に気付いてベンチから腰を上げ 控えめに手を小さく振るみゆがすげぇ可愛くてまた少しニヤけた ダメだこんなんじゃ…爽やかにいかなきゃな 「りゅう!おはよう」 『ずいぶん早くね?』 「りゅうもだよ?」 『電話するって言っただろ?』 「…………」 黙ってしまったみゆは何故か赤くなってる… 『みゆ?』 「…りゅ…りゅうに早く会いたかったんだもん」 …………………………………………………………………………………………………………………………………ヤバくね…? なんつー殺し文句だよ 秒殺だ この凄腕スナイパーめ! もうここで思いっきり抱きしめちまうか いやいや…変なスイッチ入りそうになってる場合じゃないって  
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