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ブルリ、と身体が震える。
服を厚めに着込んでいるのに、
街をこうして歩くのは
自分ひとりなんだなーと。
人混みの中でそんなことを
考えた瞬間、
拓海さんが隣にいないことを
寒く感じてしまった。
地上にあるぬくもりは
ずっしりと重い冷たい空気に
ことごとく押し上げられ、
空の向こうに
放たれてしまったんじゃないだろうか。
あったかくしてようとする
そばから、
どこからか奪いに来るような。
寒い時期に
気力が削がれることが多いのは、
季節がそういう性質を
孕んでいるから……みたいな。
だから花も木も、
すかすかと
枯れていくのかも知れない、なんて。
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